2号館アートフロアでは、ヴィンテージ書籍(写真集/
(*新入荷分が多い時は、一部途中入替あり。
①『Whole Earth Catalog』1970 Spring Issue
まず最初にご紹介するのは、1968年にスタンフォード大卒(
によって創刊された第1号から第10番目の俗に「アンドロメダ星雲」
クエスチョンマークがあしらわれ、今日では米国西海岸でも入手し難たい1冊(
し)。 Spring Issueとなっている様に、この頃は季刊で刊行されていました。
いまあらためて米国西海岸が諸々の文化フィールドで注目を浴びて
Catalog』が 今なおその価値と輝きがおとろえないのはどこにあるのでしょう。
まずは、今の時代につながる編集コンセプトです。『Whole Earth』というカタログのネーミングにもあら
われているように、第一には「地球環境」を視野に入れたこと、
ヘルプするためのツールや情報、
しかも掲載されたすべての実用的ツールを低価格で購入することが
りしてい るものであったことです。
□Contents/カテゴリーは以下の通り
1) Understanding Whole System
2) Shelter and Land Use
3) Industry and Craft
4) Communications
5) Community
6) Nomadics
7) Learning
1) のUnderstanding Whole System(全体のシステムを理解する)とは、
に浮かぶ地球の姿」を表紙に載せた出版物の重要な起点となるカテゴリー。
トは、アポロ計画が実施された1966年、NASAに対して、
るように運動を起こした張本
同誌をどれほど革新的、確信犯的に、編集したかがわかります。
が満ちた青い地球をとらえた写真が撮られたのは1968年のアポロ8号の時。『
talog』創刊の年でした。
『Whole Earth Catalog』1970 Spring Issueの一頁
全人類の思考と感性を地球史上、写真史上、
スチュアート・ブラントは、兵役を終えた24歳の時、
単に学校で「写真」を学んだだけでは到底、「
『Whole Earth Catalog』1970 Fall Issueの一頁
4) Communications、5) Community、6) Nomadics(遊牧・放浪・移住生活)のカテゴリーも、
ビートルズの映画 「マジカル・ミステリーツアー」のバスの冒険譚は、ヒッピーコミューン「メリー・
ちなみにこのサイケデリックバスのドライバーをしていたのが、
ニール・キャサディとは、ジャック・ケルアックのあの『路上ーOn the Road』の登場人物ディーン・
『Whole Earth Catalog』を創刊頃のスチュアート・ブラント
スチュアート・ブラント自身も、1968年に『Whole Earth Catalog』を創刊するまで、クールなツールや教材を自らトラックを運転し「移動販売」しています。
現在、『Whole Earth Catalog』のバックナンバーのコンテンツは、
『Whole Earth Catalog』が創刊された1968年は、
その変化を体現した『Whole Earth Catalog』は、 人類情報史にとって極めて重 要な情報ツールでありコミュニケーションの方法でした。
Appleの故スティーブ・ジョブズが、スタンフォード大で後年に記念スピーチをおこなった時に、 学生たちに贈った言葉、「Stay hungry, Stay foolish!」は、 『Whole Earth Catalog』の1974年の(とりあえずの) 最終号『The Last Whole Earth Catalog』 の裏表紙 のメッセージからのものだったことは皆さんもご存知かと おもいます。
『Whole Earth Catalog』が創刊された1968年は、スティーブ・ ジョブズはまだ13歳。スタンフォード大学があるサンフランシスコのベイエリアに住み、後に『Whole Earth Catalog』の熱心な読者になっていきます。
「 自分だけの個人的な力の世界が生まれようとしているー個人が自ら を教育する力、自らのインスピレーションを発見する力、自らの環境を形成する力、そして、 興味を示してくれる人、誰とでも自らの冒険的体験を共有する力の世界だ。このプロセスに資するツールを探し、 世の中に普及させるーそれがホールアースカタログである」
( byスチュアート・ブラント/『スティーブ・ジョブズ: The Exclusive Biography』 講談社 p.107)
『Whole Earth Catalog』が創刊された1968年は、スティーブ・
「
( byスチュアート・ブラント/『スティーブ・ジョブズ: The Exclusive Biography』 講談社 p.107)
『Whole Earth Catalog』1970 Fall Issueの一頁
アップルプロダクツは、「ギークの世界(技術オタク)」と「
2つの世界を取り結んでいく。そのためには、7) Learning が重要になります。個人が自らを教育する力、そして自らの環境を形成する力。
見まわしてみれば、そうした自らおこしていく「力=パワー」
『Whole Earth Catalog』とは、
つねに刺激しつづけら、たえずはっぱをかけられる、『Whole Earth Catalog』は、まったく隅に置けないメディアなのです。
『Whole Earth Catalog』は、
アートコンシェルジュ 加藤正樹