皆様、ふと思い返してください。平成元年、30年前は映画をどうやって鑑賞していました?映画館での鑑賞はもちろんですが、では家庭でのTV放送以外では何で見ていました?そうですビデオテープでしたよね。またはDVDより遥かに大きなLPサイズのレーザー・ディスク(若い方は見たこともないでしょう)でしたよね。
平成という時代が変えた代表的なもののひとつが、この映像記録メディアのファーマットなのです。テープからディスクに、そしてサイズを小さく手軽なものにしたのです。1996年末(平成7年)のことでした。
しかし、その交換作業が販売店の店頭ですぐに進んだわけではありませんでした。映画オヤジ的には記憶が鮮明なのですが、1998年に発売された『タイタニック』はVHSのビデオソフトの頂点で、今では考えられない480万本(100万以上で大ヒットです)を出荷し、生産が間に合わないと社会問題化したほどでした。この時点ではまだテープの天下、DVDプレイヤー発売から2年経っても、まだまだ一般家庭には浸透はしてなかったのですね。
『タイタニック』
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『マトリックス』
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『アバター』は興行成績だけではなく、3D上映というテクノロジーの面からも画期的作品として記憶されます。残念ながらホームシアターも含め3D画面は大きな市場拡大の役目は果たせませんでしたが、アトラクションとしては認知され、進化を遂げる可能性を残しているのが現状です。
『アバター』
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平成を振り返ればもう一人の人気監督が思い出されます。『レオン』のリュック・べッソンです。ジャン・レノという俳優共々、この作品のアイコンぶりは半端ありません。殺し屋レオンの【愛とバイオレンス】の生きのイイ映画で、その後のアクション映画に大きな影響を与えました。殺し屋がふとした優しさで誰かを助けて死んでゆくパターンの作品に出会うたび、"なんか『レオン』みたいだなぁ"と映画オヤジは思うのでした。
『レオン』
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2006年に『パンズ・ラビリンス』を発表して、その成熟度に驚きを覚えましたが、今回アカデミー賞作品賞、監督賞を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』は更に唸らされました!時代背景におけるアメリカの暗部、マイノリティの人間たちへの愛、古きよき時代の映画の趣味、どれをとってもみどころ十分な映画です。この12年間で彼の作風が時代にマッチしたと言えるのではないでしょうか。
『パンズ・ラビリンス』
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『シェイプ・オブ・ウォーター』
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『きっとうまくいく』
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イケメン男優と派手なアクションや、おどろおどろしいミステリーだけが韓国映画ではなかったのです。破滅型青年と純真な娘の葛藤劇は見事に映画ファンの心を捉えたのでした。
『息もできない』
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しかし唯一デジタルでは表現できないのは人間の心です。
それを画面に映し出すことができるのは俳優による微妙な表情や、監督による細やかな演出というアナログそのものなのです。
デジタルとアナログの融合というキーワードも含め、今回取り上げた外国映画で、この平成30年間を振り返ってみてはいかがでしょうか。
代官山 蔦屋書店 映像担当コンシェルジュ
吉 川 明 利
【プロフィール】
小学校6年で『若大将』映画に出会い、邦画に目覚め、中学3年で『ゴッドファーザー』に衝撃を受け、それからというもの"永遠の映画オヤジ"になるべく、映画館で見ることを基本として本数を重ね、まもなく47年間で10000本の大台を目指せるところまで何とかたどり着く。2012年より代官山 蔦屋書店映像フロアに勤務。
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