これらの書籍を選んで頂いたのは、現在ご活躍中の建築家・田根剛氏なんです。
「建築家の発想はどこから生まれてくるのだろう?」って思いませんか?
「BOOKS with ARCHITECT」は、そんな疑問に迫る代官山蔦屋書店オリジナル企画です。
単純に「好きな本を紹介してくださーい」 とお願いするわけではありません。
建築脳とでもいうべきものに迫りたいからです。
そのような意思をこめてロゴマークも建築コンシェルジュの坂山がデザインしました。
選書をお願いするにあたり、建築家の方々へテーマを投げかけることにしました。
それは「2020年の居場所はどこにあるの?」というものです。
居場所という身近な関心事、そして6年後という近い未来ですから、誰もが想像力を働かせてみることができる!はずです。そのほうが建築家の方々の想像力を実感できそうですよね。
そしてこの企画の大きな特徴は連続シリーズで行うということです。
複数の建築家の方にご参加いただき、各回ごとに異なる角度から2020年の居場所を考えていく予定です。
第一回は建築家・谷尻誠 氏に「オリンピック」を切り口に選書して頂きました。
そして現在開催中の第二回は、先述の田根剛 氏にオリンピックとは全く違う、とても小さなものを切り口にしてほしいとリクエストし、「ひとつ」というタイトルに決まりました。
その答えとして田根氏がセレクトされた書籍が次の7タイトルです。
『モモ』(ミヒャエル・エンデ)
『世界がもし100人の村だったら』(池田 香代子)
『武満徹著作集(1)』(武満 徹)
『存在と無―現象学的存在論の試み』(ジャン=ポール・サルトル)
『1.2.3……無限大』(ジョージ・ガモフ)
『ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論』(ピーター・アトキンス)
『生命とはなにか―バクテリアから惑星まで』(リン・マーギュリス 他)
こうしてなんともユニークな書棚が建築書フロアにお目見えしたわけです。
さて、田根氏はいったいどんな理由でこれらを選んだのでしょうか?
とっても気になりますよね。それが直接ご本人から聞けちゃうんです。
毎回、自身も建築設計事務所を主宰する建築コンシェルジュ坂山とのトークイベントが開催され、気軽に建築家とコミュニケーションがとれるのもこの企画のポイントです!
5月11日、パリに拠点を構える田根氏の来日中、貴重な時間を割いていただき実現しました。
自身のお仕事のプレゼンテーションから、選書をお手に取って頂きながらのトークという流れで、イベントは進行しました。
建築の話と本の話という違いはあれど、そこには一貫した田根氏の建築家としての思想が滲み出ていました。
「意味のあるものが残る」という言葉が大変印象的でしたが、多様な要素からなるこの世界の中で、自分にとって大切な「ひとつ」を見つけることが、未来の「居場所」を考えることにつながっていく――そのようなメッセージをご来場の皆様は受け取られたのではないでしょうか。
田根剛氏の書棚は6月14日までの予定で展開しておりますので、ぜひ実際にお手に取ってご覧下さい!
そして次回は建築家・能作淳平氏をお迎えします。
今回より大きなスケールながら、身近なテーマで「居場所」を考えて頂くことになっております。
能作氏は1・2回目のトークイベントにもお越しいただいておりましたので、谷尻氏、田根氏の議論の延長線上でのトークの展開が期待されます。どうぞお楽しみに!
建築コンシェルジュ 坂山 毅彦
選書商品のお問い合せは代官山 蔦屋書店・建築カウンター<TEL:03-3770-2525>まで。
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