2014年7月29日
原田知世氏 トークショー&アコースティックミニライヴ レポート
6月5日(木)19:30~小雨の降る中、代官山 蔦屋書店音楽フロアにて、
原田知世氏の5年振りの新作アルバム「noon moon」の発売を記念した
トークショ―&アコースティックミニライヴを開催いたしました。
原田知世氏の登場を待つファンの皆様の緊張感が張り詰めた中、
待ちに待ったご本人登場に拍手が湧き上がりました。
まず、トークショーでは、本作が出来上がるまでの経緯を原田氏にお話していただきました。
アルバムのタイトル「noon moon」とは、昼間の青い空に透けて見える月を意味しているらしく、
普段から月を観ることが好きであることと、
Oが続く英字の並びがビジュアル的にも可愛いという理由からつけられたそうです。
蒼穹に浮かぶ美しい月、豊麗な夕景色、いろんな場面を想像できるタイトルではないでしょうか。
そして、トークショーとライヴを挟む間、ゲストとしてお越しいただいた
本作のプロデューサー、伊藤ゴロー氏(naomi &goro)と、
作詞とピアノを担当された澤渡英一氏を迎え、楽曲を演奏していただきました。
ラストは、原田氏に再登場していただき、伊藤ゴロー氏、澤渡英一氏を含め
新作アルバムから以下の3曲を演奏されました。
1. 青空の月
2. A Moment of Clarity
3. Brand New Day
さて、今回のライブの1曲目では、坂本龍一氏がキーボードとしてゲスト参加された楽曲「青空の月」を演奏されました。
昼から夜にかけてのゆったりした時間に聴きたい、心地よい演奏とキーボードの音からは月や星が連想され、
とても可愛いく仕上がったアルバムの1曲目としてもふさわしいかと思います。
2曲目の「A Moment of Clarity」は、一聴してみれば暗い曲のようですが、
聴いているうちに絶妙な多幸感をもった美しい曲であることがわかってきます。
曲名からも感じられるような晴れ渡るすっきりした瞬間が随所に散りばめられた、
クリアーな瞬間を堪能できる一曲でした。
そして3曲目は、アルバムのラストに収録された、新しい一日の始まりを示す「Brand New Day」。
シンプルなボサノヴァ調のギターと柔らかいピアノの音で気持ち良く一日をスタートできるよう後押ししてくれる曲です。
夜にこの曲を聴きながら、次の日のやる気を呼び起こすのも良いでしょう。
また、アルバムでは他にも素敵な曲がたくさんあります。
個人的には特におすすめは、9曲目に収録された「名前が知りたい」は、
小説家の池澤夏樹氏による作詞曲で、小さな感覚から大きな感情に移り変わる心象描写であり、
言葉遊びや対比する対象の選び方に、改めて詩の面白さを感じさせてくれます。
原田知世氏の笑顔だけで会場にそよ風が吹くような華やかなオーラを纏っており、
彼女が喋ったり微笑んだ時お客さんもつい微笑んでしまう様子が印象的で、会場に一体感を感じられました。
歳を重ねるごとに増す美貌と歌声に、アイドル時代とはまた違った味わい深さを感じた、夢心地な素晴らしい時間でした。
音楽フロア担当 木谷 愛